自分の感じたことだけ

いま、この場所で

読書感想文は嫌いですが読書は好きです。

はじめに

自分は感情というものが少ないと思っていたけど、案外そうでもないかもと言う話。

 

感情って記憶なんじゃないか

皆さんは小学生とか中学生のときに苦手だったものはあるだろうか。

勉強や体育の授業だろうか。それとも人によっては教師(口臭とか)や隣の席のうるさいやつとかが思い浮かぶかもしれない。

私にとって一番苦痛だったのは「日誌」だった。

もちろん他にも苦手なものは結構あった。勉強はそれほどでもなかったが、体育はそこまで得意ではなかったし、苦手な教師もクラスメイトもいた。

それでもなにか一つを挙げるのであれば、やはり「日誌」というものになるだろうか。

ここでいう日誌とは「楽しかったこと」や「面白かったこと」を書いてくださいとかいうやつだ。夏休みで楽しかったこと、運動会で頑張ったこと、文化祭で思い出に残ったこと…。一応大枠で言えば読書感想文もこのうちにはいるだろうか。

私はとにかくこういう類の振り返って感想を書くということが本当に苦手だった(し、いまも苦手)。

原因は色々ある。まず、なんとなく誘導されている気がする。なにかいいことを書かなきゃいけないような気になってしまうというか。楽しかったことで「ゆったり家でゴロゴロしていたこと」と書けない雰囲気というか。そういうものを感じてあまりいい気分にはならなかった。あとはこういう日誌の課題でいい評価をもらった覚えがない、つまり成功体験がなかったのも要因の一つかもしれない。

しかし原因として一番大きいのは「何を書いたらいいのかわからない」ということだった。なにが楽しかったことなのか、印象に残ったことなのか。それがわからなかった。

もちろん楽しいことはあったはずだ。生活していて本当になにもなく平坦なことはむしろ少ないだろう。一日のなかにも多少の起伏がある。夏休みだってずっとゴロゴロしているわけではなく、一度ぐらいは家族で旅行にいったりしていた。

それなのに私は何を書けばいいのかわからなかった。色々楽しかったことはあったとしても、それらはあとから振り返ると、すべて記憶の中の事実でしかない。それらは単純に出来事であってそこに自分が楽しかった、嬉しかっただの私情を挟む余地はない。そういう感覚になってしまうというか。

これが地味に結構しんどい。例えば私のクラスには毎日「聞いて聞いて、昨日面白いことがあって…」みたいに話す人がいた。多分みなさんの周りにもそういう人と思う。心で半分「そんな毎日面白いことあるわけ無い」みたいに冷笑していたが、もう半分では「そんなにたくさん自分で語ることがあっていいな」とも思っていた。

「私は語るべきことがない、感情の起伏がないつまらない人間だ。」

いつしかそういうレッテルを自分に貼っていた。今もその節はあると思う。まぁまぁ記憶力は良かったので「ただ物事を記憶しているロボット」みたいなことぐらいは思っていたかもしれない(若干うぬぼれ)。

だから逆説的に表現することに飢えていたのかもしれない。吹奏楽部に入ったり、演劇部に入ったり。いろいろ表現する技術というかそういうものを色々吸収したかったのかも。

それで少しはましになった。若干人前で話すのもうまくなったし、なんとなく表現を形にするということもこなしてきた。

でも、それは誰かの思いをなぞっていただけで。結局自分自身が空虚であるという思いは変わらなかった。「自分もマンガとかみたいに熱い思いで動く経験がしたい」。そういう思いはあるが、そういうものが一向に自分からでてくる気配はなかった。

今日も今日とて、「なにか書くことはないか」と一日を振り返ったりしては見たが、そういう思いはなく。どうしたものかと悶々としていた。

と、一日を思い出して、ふと気づいた。

この「思い出す」=「覚えている」ということ自体が意味のあることなのではないかと。つまり、どういう事実を「覚えている」かをみると、自分が何を大事と思っているかはわかる=どういうことで感情が動いたのかわかるのではないかと。

「記憶」しているということは、つまりそれが大事なことだと、無意識的にか意識的にか「自分」が判断したことなわけだ。何かを大事なことだと思う、それはまさしく「自分の感情」といえるものではないのだろうか。

いままでマンガなどをみて育って来たものだから、「感情」というものは自然と湧き上がってくるものだと思っていた。もちろんそういう類の感情もあるだろう。ただ、もしかしたらふと振りかえったときに「感情を見つけ出す」ということもあるのかもしれない。

 

結論

これからは「自分の記憶」に残ったことが「自分の感情」になるんだと思って生きていきたい。

そうすれば昔の自分も少しは救われるような気がする。

ということで、今日はこのへんで。

お疲れさまでした。

 

 

今日のひとこと

一日9時間半は寝たい。