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横好きサイト分析 ーAmazonー Part4

はじめに

Amazonのサイト分析、前回のつづきから。一応最終回。

haniwaonfuton.hatenablog.com

 

洗練さと物量

今日は詳細ページを詳しく見ていく。

ヘッダー部分に関してはほとんどTOPページと同じ。一点違うのは通常ヘッダーの下に現在表示されている商品と関連するカテゴリを列挙する部分が加わったことだ。例えば書籍の詳細ページであれば、該当部分には「マンガ」や「Kindle unlimited」、PC用品であれば「パソコン」や「タブレット」、「アクセサリ」といった項目が並ぶ。背景が灰色で表示領域も狭めなので決して目立つものではないが、さり気なくアピールしているところがAmazonらしい。

関連カテゴリ部分の下には、パンくずリスト、商品の画像・説明、価格、購入ボタンがほぼ一列で並んでいる。PCのファーストビューを目一杯使用し、最低限購入に必要な情報は網羅している。シンプルではあるが商品を買いたい人に一切の手間を与えない考え抜かれた画面設計といえる。

これは余談だが、書籍のページにある「1Clickで買う」は本当にやばい。すぐ買ってしまう。これを考えた人はかなりすごいなと思う。閑話休題

そのゾーンをすぎると、基本的にはレコメンド、商品の詳細、カスタマーレビューと続く。そこに加え、本であれば著者の紹介、PC用品であればよくある質問など商品の特徴に応じた内容が追加される。ある程度は商品のカテゴリなどで自動でやっているのだろうが、文章は自動生成ではないだろうから少なくともそこにはコストがかかっているはずだ。これのメンテナンスに一体どれほどの手間がかかっているかを考えるとAmazon資本力の高さがをひしひしと感じる。

 

TOPとの違い

ざっと詳細ページを見たが、要素が洗練されていたTOPと比較すると、非常に沢山の要素が詰め込まれている。

 例えば上記の商品ページであれば、商品画像・商品説明・価格・著者のフォローボタン・電子書籍の設定・おすすめ商品・シェアするボタン・広告・スポンサープロダクト・商品の説明・登録情報・著者詳細・関連商品・スポンサープロダクト(2回め)・カスタマーレビュー・最近閲覧した商品・おすすめ・最新とおすすめとざっと上げても20近い内容が場所をフルに使って詰め込まれている。その情報量だけでもすごいが、なによりすごいのはこれだけ要素が多く入っていながらも「ページが見づらい」という印象を一切あたえない「情報設計」と「UIの統一性」であると言えるだろう。

「情報設計」という点では、まず最も目に入るページの左端に商品の画像を設置、その右側に商品の名前を並べることで自然とこの商品が何なのかというのをユーザーに伝える。そして説明のスグ下に値段を設置し、ユーザーに理解した商品の値段を間髪入れずに伝える。そしてその下に商品の説明やバージョン違いを設置することで、値段で即買いせず、よく内容を確認したい人へのカバーもしている。そこで十分情報を得た後、視線を右に移動すると、そこには最終的な値段と「購入する」の文字が。

ここまで、購入に関して最低限必要な情報のみで他に一切余計な情報は入ってきていない。すなわちユーザーに迷う判断材料を与えない。よく人間の心理を観察してできたページ設計だと思う。まぁたくさんバージョン違いがある場合はそこで迷ってしまうかもしれないが。

そして商品の簡単な説明だけでは少し足りないなと思い下にスクロールすると、すぐに詳細な説明がでるのではなく、商品のレコメンドが表示される。ここはAmazonにしては珍しく商売っ気があるなと思われるが、これはTVCMと同じ心理効果、つまりあえて情報を出すのを先延ばしにすることで、より商品への関心を引き立てようとしているのだと思われる。詳細説明のあとに来るカスタマーレビュー(最近よく面白いレビューが話題に上がったりするが)の手前にもレコメンドがズラッと並んでいる。ここもユーザーが興味を持っている内容の前にあえて宣伝をおいているのだろう。考え抜かれた「情報設計」といえる。

また「UIの統一性」の観点からいえば、これはTOPページから一貫してだが、タイトルは黒の太字、リンクは青、説明は黒の細字、強調する内容は黄色というのがこのページに一貫して設定されている。詳細ページでは、値段が赤・太字で表示されるというルールも追加されている。

またレコメンド部分については、このページ(ひいてはサイト内)で幾度となく現れるがほぼ全て「画像・タイトル・レビュー・値段」のブロックで横並びと統一されており、いつ現れても「あぁこれは商品の羅列だな」というのがひと目で伝わるようになっている。だからページの途中に入っていたとしても「ここからここまでは広告だから飛ばして、ここからちゃんと見よう」というのがすぐにユーザー側で判別でき、広告が邪魔にならない。まぁ広告が気にされないのは逆にどうなのかとも思うが、「レコメンドがみたい」という人は一発で探し当てることができるので、あながちマイナスだけではないと言えるだろう。

 

結論

ここまでAmazonのサイトを見てきたが、ほんとうによく考えられている。Webページでは「なぜそこにあるのか」というのをすべて説明できるようにする、というのがよく言われることだが、ちゃんと徹底できているのはなかなかないだろう。今回の調べでやっぱりAmazonすごいなと思ったので、このいいところを吸収して生かしていきたいと思いつつ現実の厳しさを噛み締めていく所存。

 

 

今日の一言

新しいPCがとどいてテンション高め。