横好きサイト分析 ーAmazonー Part3
初めに
Amazonのサイト分析、前回の続きから。
できる限り使いやすくシンプルに
AmazonのコンテンツTOPにあるスライダーバナーについて。
なぜこんな特徴的な形を使用しているのか。おそらくだが、宣伝と商品のレイヤーを変えることで、宣伝を背景としてユーザーにとらえさせ、商品のプライオリティが一番高いという姿勢を会社として出しているのだろう。ユーザーの購入をできるだけ阻害しないようにする意識が感じられる。
例えばYahoo!ショッピングと比較するとわかりやすい。
ヤフーではAmazonとは対照的に広告やキャンペーンを前面に押し出しており、商品はその下の方に小さ目に表示されている。これはどちらがいいという話ではなく、どちらにも理念があり、それを優先したためだろう。おそらくヤフーは「ショッピング体験をより楽しく」という方向を推し、「今回はどういうセールをしているだろうか」とユーザーを回遊させるのをサイトの主目的においているのだ。
それに対してAmazonは「できるだけ使いやすく」という方向を推し、ユーザーにできる限り意図しない広告などでマイナスな印象を与えないように、またシンプルなつくりにすることで「使いやすいな」という感想を抱かせるようにしているのだろう。
この「シンプルさ」というのはコンテンツ部分の配置方法にも表れている。
スクロールしていくとわかるが、基本的に横に3つのコンテンツが並んでいる場合と横一列で表示されている場合の2種類しかない。またその内容も統一されており、3つのコンテンツが並んでいるときは特集や案内へのリンクが設置されており、横一列の場合はあるテーマに沿った商品が画像だけ一個ずつ並べられたものが設置されている。私が今日確認した段階では一つだけ例外があった(コンテンツの一番下、フッター上部だけ横一列のものが2/3サイズになり、残りの1/3に特集が置かれている)。がそれでも大きくそれまでのパターンを変えるものではない。ここにも徹底して「できるだけユーザーにとって意図しないものの出現を避ける」という親切設計が表れている。
最後にフッターをみて、TOPページの分析を終わろう。
今までのページからの「ユーザーの想定外を出さない」というテーマにもれず、フッターも驚くほどシンプルに設計されている。「トップに戻る」ボタンが設置されており、その下に「項目別タイトル」が太字で、「詳細項目」がタイトル直下縦に並べられている。画像や凝ったJavaScriptなどは使用せず、まさに王道のフッターだ。ささやかながら一番下にAmazonの有料会員や新機能の宣伝が置かれているのが、Amazonの「できる限り配慮しましたので、最後にちょっとだけ宣伝させてください…」というのが見える気がする。
終わりに
これでAmazonのTOPページを一通りみた。
今回のことでよくわかったのは、なにも奇を衒ったことはしていないということだ。これはAmazonがECの王者であるが故にわざわざ特殊なことをして失敗をする必要がなく、一番シンプルなもので勝負しているのだと思われる。実際それで隙がないのだから、結局王道こそ最強といえるのかもしれない。
ただ、他の通販サイトがこれをそのまま真似しても意味がない。なぜなら、それは単純にAmazonの劣化品にしかならないからだ。だからAmaozon以外のサイトはある意味変化球で勝負しなければならないといえる。これがAmazonが今の地位を保てている一端なのかもしれない。
今日のひとこと
風が気持ちよくてとてもいい日でした。